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2018年9月 4日 (火)

横山和正『沖縄空手の学び方』

『沖縄空手の学び方』を読んだ。アメリカで活躍している空手家の著作で、台湾への武術留学や沖縄での修行生活が紹介されている。

作中、本土と沖縄の稽古の仕方が異なるという記述が興味深かった。

型を打つにあたり、本土では最初に腰の使い方などのコンセプトを与えられるが、著者の沖縄の経験では、むしろ、速くとか強くとか、動きの具体的な質を問われる機会が多かったそうだ。

そうした稽古の繰り返しの中で、理論は内発的に表れるという趣旨の解説がされていた。中心軸や丹田といった様な体の感覚は確かにあるけれど、初心者にはあまり役には立たないとの指摘もあり、まったくその通りだなあと納得した。

最初から正解ありきで練習をすると、それ以外を取りこぼしやすい。出来ないことだらけなのだから、自分もそんな傲慢なことは止めて、基礎からやり直したい。

そういえば、整体の学習経験でも、本質主義的なアプローチは全て失敗している。知識という意味ではないが、最初は理論よりも、とにかく暗記だ。

ただし、人を動機付けるのは、そうしたロマンであったりもするので、その辺りの区別は必要かもしれない。教える側は人に教える為の方便で、しばしば必要条件を意図的に無視するのだが、習う側は真に受けない方が良い様な気もする。

それは空手に限らない、あらゆるジャンルに共通する話だが、何が足りないのかを考えて、自分を疑えというか。そんなことを考えさせられた本だった。

実は、刊行記念イベントに予約していたのだが、当日、著者の体調不良によって、イベントは中止。本年5月に惜しくも亡くなられている。ついに生で観ることが出来なかったのが、残念だ。

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